Q.ツーリズムEXPOジャパンでヨガイベントをすることになった経緯を教えてください
実はヨガとはまったく関係ないところからお話をいただきました。私には大好きな美容家がいます。数年前に偶然彼女を知ることとなったのですが、そのときに彼女の発信しているものにとても心を動かされました。会いたい人には会いに行くのが私の鉄則なので、彼女が開催しているイベントに行きました。実際に会ってみるとやっぱり素敵な人で、その後も彼女のイベントに足を運び仲良くしていただいています。
そして、彼女に会うたびに「私はハワイ生まれのヨガのティーチャーをしていて、このヨガが好きで楽しくて、もっとたくさんの人に伝えていけたら幸せです」と話していたんです。するとある日、彼女から突然連絡が来ました。カルフォルニア観光局の知人が、東京ビッグサイトで開催されるツーリズムEXPOジャパンに出すブースでヨガのデモンストレーションができる人を探していると。嬉しいことに彼女とお話ししてきた中で「私=ハワイ+イルカ+ヨガ」というイメージをもってもらえていたらしく、そこから私を思い出して連絡してくれたということでした。
Q.ヨガレッスンの集客やマーケティングはどのようにされていますか
私はビジネス戦略とかそういうことはあまり得意ではありません。だから、毎回のレッスンを大切にして、来てくれた生徒さんにリピートしてもらえるような関係をつくり、そこから自然と生徒さんを増やしていけたらいいなと思いました。いろいろ考えると難しいので、もう素直にいこうと思いました。こんなふうに思えたのにもちょっとしたきっかけがありました。私自身がうまくいっているときって、どんなだったかな?と思い返していたら、趣味でダイビングをしていたときのことが浮かびました。そのときの私は海で過ごす時間や空間をいつも純粋に楽しんでいて、そこでリラックスしていた私に、素晴らしい仲間がたくさんできたんです。気持ちも状況も心底充実していました。だから「私自身が楽しんでいれば、そんな私と一緒に楽しみたいと思ってくれる方が来てくれるかもしれない。だから、とにかくカッコつけずにレッスン自体を楽しもう」と思いました。
最近では私のドジなエピソードなどを飾らずに披露したりして。すると生徒さんが「昨日の夕飯のとき、先生がこの前豪快に転んだっていう話を娘にしたんですよー」と楽しそうに話してくれたりするようになりました。そういう瞬間は本当に幸せですね。だからあまりストイックにならない雰囲気で、その時間をそれぞれが楽しんでもらえるような感じでレッスンをしています。そのせいか、年齢も幅広い主婦のお客様が多くいらっしゃいます。そうかと思ったら、リラックスのクラスにここ1年ぐらい、マッチョな男性も来てくれるようになりました。
こんなふうにリラックスや癒やしを求めている人が来てくれるようになって、もしかしたら私がいちばん望んでいた形になっているんじゃないかという気がしています。
Q.ヨガヒラで学んだことはなんですか
決断した瞬間から人生は変わっていくということをよく耳にしますが、私自身も「ヨガヒラに行くと決めた瞬間」から人生が変わりました。あのとき一歩踏み出して一人で海外に行くという勇気を持てたのだから、いまどんなことがあってもきっと越えられるだろう、と自信を持つことができています。
いま思えば、はじめてヨガヒラに行くと決めたとき、私には大きな心配事がありました。私は子供のころCA(客室乗務員)になりたいほど飛行機が好きだったのに、めまい症のため閉所が苦手になり、ハワイへ行く飛行機の8時間が耐えられるか不安でした。でもアキ先生に相談しながら、事前準備としてグラウンディングすることを教えてもらったり、大丈夫だとイメージすることを教えてもらって、無事にハワイへ行くことができました。そのことはけっこう大きかったです。たった一人で海外に行くこと、そこではじめて会う人たちと一緒に暮らすこと、そしてヨガをはじめて真剣に学ぶこと。こういう経験はめったにありませんから、ダイビングしていたときのように全身全霊で取り組みました。悩んでいる暇はありませんもんね。勉強も人間関係も、すべての瞬間において真剣に、そして楽しみながら取り組みました。
こうして日常を離れその世界にどっぷりと浸かったとき、いままで単なる理想でしか描けなかった「新しい生き方って、こんな世界って、本当にあるんだ」ということがわかった気がして、それが大きな転換点になりました。なんていうんでしょうね、新しい世界に行けた感覚でした。それは長く険しい道の先にやっとたどり着けたというよりは「こんなふうに生きたい」と決めた瞬間、どこでもドアのような扉があって、開けてみたらそこに理想の世界が広がっていたという感じです。そしてその世界に飛び込み、迷わずいろんなことを吸収したことで、帰国後も自分軸を信じることができ、諦めずにここまで来れたのではないかなと思います。
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